変数の使い方
このパートでは、変数について学んでいきます。
変数とは
前章で、計算は 10*2 のように数字を直接打ち込んでいました。このような方法での計算もいいのですが、一つ値を変えるときに面倒になると思います。
例えば、円の面積を求めるとき、「半径*半径*円周率」という公式を使います。このとき、半径を変えるとなると、二箇所変えなければならず、面倒です。
ここで登場するのが「変数」です。
変数はよく箱に例えられて、「なんらかの値を格納しておくもの」です。先ほどの円の面積だと、「半径」と「円周率」を変数に置いてしまえば、半径を変えるときにその「半径」という変数を変えるだけで済みます。
早速コード例を見てみましょう。上が変数なし、下が変数ありバージョンです
#include <iostream>
using namespace std;
int main(){
// 半径:10cm
// 円周率:3
// 1.変数なし
cout << 10 * 10 * 3 << endl;
// 2. 変数あり
int radius = 10;
int pi = 3;
cout<< radius * radius * pi << endl;
}
一見、変数なしの方が記述量も少なく、いいコードのように見えるかもしれません。では、このコードを 意味 を考えながら読んでみます。
1の方では「10*10*3」と、定数の式のみで書かれてしまっています。私たちはこれら3つの定数の意味を全て把握した上でコードを書きましたが、これは第三者から見るとただの式に過ぎず、なんの意味も感じることはできません。
2を見ると、2つの変数「radius(半径)」と「pi(円周率)」が使われています。そして、そのそれぞれに「代入」という操作が行われています(この操作は後ほど説明します)。そうすることで、このコードを読む第三者は、このコードの意味を容易に理解することができるようになります。
このように、「なんらかの値を格納」して、「その数値に意味を持たせる」ものが変数です。
変数の基本
では早速変数を使ってみましょう。
変数を使う際はまず、その変数の「宣言」と「定義」という動作が必要になります。C++では、変数の場合はこの二つの動作は一緒にできるのでどちらかの意味で捉えてもらってもそこまで問題はないです(後のクラスや自作関数といったことを学習するときにはこの二つの操作は重要になってきます)。
基本的に、変数の宣言は
int number;
このようにして行います。
これは、「『int型(整数)』の変数を num という名前で使います。」という意味で、これを記述すると、その後からint型の変数numが使えるようになります。
ここでは、変数を num という名前にしましたが以下のようなルールさえ守っていればどんな名前でも大丈夫です。
・一文字目は必ずa~z、A~Zのアルファベット、または「_(アンダーバー)」
・二文字目以降はアルファベット、「_」に加え、数字が使える
・予約語(=cout のような、C++の機能として元々あるもの)ではない
C++のルール - 変数の型
先ほど、文中に「int型」という単語が出てきました。これは、C++では、「整数の型を持つもの」という意味で使われます。
ではそもそも型とはなんでしょうか。
「型」と聞くとクッキーを作るときに使うような、金属製の枠を連想するかもしれません。はい。正解です。実は、C++に限らず、多くのプログラミング言語における「型」の本質的な意味はクッキーの型とほとんど同じなのです。
つまり、型とは、データを表現するための形式のことを指します。例えば、「int型の数値4」というのを例に取ると、コンピュータ上ではただのビット列(2進数)として認識されてるものを、「int型」とすることで、「それを整数として表現するよ」という意味がつけられ、初めて「4」という意味を持つようになります。
そして、この「型」は様々な種類があります。以下にその一覧を載せておきます。
名前 | 意味 |
---|---|
int | 整数 |
float | 浮動小数点数(小数) |
double | 浮動小数点数(floatよりも正確) |
char | 文字(単体) |
(std::)string | 文字列 |